第一話 翡翠《ひすい》色の炎
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十二月一日の雲一つない快晴の朝、最寄りの高校へ向かうため、カナタはおにぎり片手に自宅を出た。高校までの平均通学時間は歩きで四十分ほどだ。 「……あ?」 カナタの足はゴミ捨て場の横に落ちている藁人形の手前で止まった。 数秒間藁人形を見てからカナタはそれを
跨
(
また
)
ぎ、再度歩き始めた。 ただそれだけだ。特別蹴ったわけでも、触れたわけでも、話しかけたわけでもなかったのだった……。
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