第一話 翡翠《ひすい》色の炎

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 放課後、カナタ、シロタ、そしてこの俺秋彦の仲良し三人組は一緒に活動棟へと向かう。  まず、俺たちのいる二年一組の教室から外へ出て、二階へ降りて、回廊を渡れば活動棟。部活や委員会が活動するための棟だ。  俺たち仲良し三人組は保安委員ってのをやっている。  部屋は活動棟一階の最も北側だ。長机が二つ、部屋の壁に寄せてあり、中央にも二つ、長机が置いてある。  保安委員は六人で構成されている。リーダーは、机に背を向けて窓からグラウンドを虚ろな目で眺める男。  彼の名前は北海老(きたかいろう)世代(じぇねれいそん)……、ああ、本人が一番気にしているから何も言わないでやってほしい。 「シロタ、秋彦はいったい誰と話しているんだい?」 「さ~、俺にもさっぱりわかりません」
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