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「今回はな。うちに通ってた門下生の坂巻莉音って覚えてるか?」
「ああ。あのシャイな女の子やろ?わいらと絡むことはほとんどなかったけどなぁ。その莉音ちゃんがどうかしたんけ?」
「その莉音ちゃんが神隠しの被害者の一人なんだって」
「それほんまか!?」
どうやら情報通の竜五もそれは知らなかったらしい。いや、本当に情報通なのか?こいつ?
僕たちが会話をしながら靴箱にさしかったところで後ろから声をかけられた。
「二人して何話してんの?」
振り返ると、そこには竜五と同じく幼馴染のひとりである里実がいた。
ゆるい天然パーマを生かした髪型。
肩まで伸ばしたウェーブのかかった髪は茶色に染めていて、差し込む朝日によっていつもより髪が明るく見えた。
「おお。里実か。ちょうどええところにきたな。わいらは今神隠しについて話しとったんや」
竜五が相変わらずの調子で里実にそういうと、里実は顔を強張らせた。
「何か知ってるのか?」
僕の言葉に応じて里実はようやく口を開いた。
「何も知らないよ・・・。何でそんなこと?物騒だしそんなことかかわらないのが一番やないの?」
里実は一言そういうと僕たちより先に歩いていってしまった。
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