1章 一つ目の七不思議

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「違うよ。竜五が模試に向けて勉強しないといけないから、僕に勉強教えてくれって」 「そうなん?竜五、医者にならないとあかんねんもんな。そりゃ今の成績じゃあかんか」  ふむふむと里実が納得したので、この話もこれで終わりかと思っていたのだが。 「じゃあついでに私にも勉強教えて」との鶴の一声が入ったので、勉強会は竜五と里実に僕が勉強を教える形となった。  それから先生が入って来て授業が始まり、僕たちの会話は本当に終了した。  午前の授業が終わり昼休みに入ると、すぐに僕は竜五の言っていた3組の浜崎さんに話を聞きに行くことにした。  里実に止められないように速やかに教室を出て、急いで3組へと向かった。  しかし、3組の教室にはすでに浜崎さんの姿はなかった。  3組の人に話を聞くと「え?浜崎さん?あー、そのグループなら今頃食堂でご飯食べてるんじゃないかな」とのことだった。  たらい回しにされる前にと急いで食堂に向かうと、すでに端の方の席を占領している女子の軍団があった。  他にまだ生徒はほとんどいなかったので、おそらくあれが浜崎さんのいるグループなのだろうと予想して声をかけてみることにした。
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