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「それはごめん。それで七不思議のことなんだけど・・・」
「ちょっと待ちいな。まずは座りぃや。そんな急がんでもええやん、あんた童貞か?早漏は嫌われんで?」
再び取り巻きの間でクスクスと声が上がる。苛立ちを抑えながら言われた通り席に座ってから話を続ける。
「真剣なんだ。だから知ってること、教えて欲しい」
席に座った後、浜崎の目を見てそう言った。
「なんや冗談の通じへん奴やな。まぁええわ。そんならお望み通り話してあげるわ。竜五の友達いうことやしな」
浜崎は少し顔を赤くしてそう言った。からかった奴が思い通りに恥ずかしがらなくて逆に恥ずかしくなったのだろうか。
「お願い」
「ほんならまずはうちらの自己紹介から始めよか」
僕はその必要があるかは疑問だったが、とりあえず頷いた。
「このいかにも臆病そうなのが、新町凛菜。こっちの賢そうなのが矢野寧々。見た目だけやなくてほんまに賢いねん。あんたと同じ特待生やで」
浜崎が紹介した通り、新町凛菜は臆病そうな女の子だった。天然パーマの黒髪を長く伸ばしている。矢野寧々は黒髪ショートの知的な女の子だった。
どちらも浜崎のようなタイプと仲良くするようには見えないが。
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