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「んでこっちのが佐藤来夏。んでうちが浜崎美香。よろしゅうね」
最後に紹介された佐藤来夏もまた黒髪で肩までの長さのある髪を斜めに揃えてカットしてある特徴的な髪型だった。表情は柔らかく悪く言えばニヤニヤしているように見えた。
「紹介ありがとう。みんなよろしく。・・・で?今の自己紹介がどう関係してくるの?」
「まぁ落ち着きぃな。今から話すから」
浜崎は一旦目を閉じて息を整えると、決意を決めたように目を開いて話し出した。
「あれは2週間ぐらい前のことやったかな。放課後、うちが三階のトイレに行った時の話やねんけど・・・」
浜崎は躊躇しながら話していた。なにやらビクついている様子だ。もしかして怖い話をするのが怖い・・・とかか?もしそうなら案外可愛いところもあるのかもしれない。
「午前授業の日の午後のことやったか。うちが三階の図書館で寧々に勉強を教えてもらってた時のことなんやけど。3時ぐらいのことやったかな。
休憩がてらうちが図書館の隣にあるトイレに行った時、珍しく個室が一個閉まってたんや。左から三つめの個室が。
というのも、三階のあそこのトイレって、人全然おらんし、使ってる人がおる方が珍しいぐらいやから。変やな思って。でもとりあえず他の個室使ったんやけど、出てきてもまだその個室空いてへんの。
しかも全然物音せぇへんの。おかしいな思てノックしてみたら、確かにノック返ってきてんな」
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