1章 一つ目の七不思議

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「仲、いいんだね」  僕がそう言うとみんなは不思議そうな顔をした。  確かにそれは言葉足らずだった。  僕は第一印象で浜崎がこのグループを牛耳っていてカースト的な制度が存在するのかと思ったのだが、話していると印象が変わってくる。  確かに最初はなんだこの女と言いたくなるような態度だったが、仲間内に対しては浜崎はそこまで当たりが強くはないようだった。 「そう?ま、うちがいるもんな。カリスマってやつ?」  偉そうに言う浜崎だったが、周りの3人は生暖かい目で浜崎を見守っていた。それを見て大体どんなグループなのかがわかった気がした。 「うん。そうかもね。・・・ところでなんだけど。この話を聞きにきたのって僕以外に誰かいる?」  僕は他に気になったことを聞いておくことにした。  もしこの事件が七不思議なら神隠しと関係することになるし、莉音を含む五人の行方不明者と何か関係があるかもしれない。 「ん?あんた以外にこの話を聞きにきたやつ?・・・竜五の他には・・・いや、正しくはまだ竜五には不思議なことが起こったとしか話してないから、えっと、10人くらいかな?」  結構話してるなと思いつつ、その名前を聞いていった。
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