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「その中に、坂巻莉音って子、いなかった?」
「莉音?いたっけ?凛菜」
浜崎は自分の隣にひっついて一言も声を発さなかった新町に声をかけた。新町はビクッと反応すると小さな声で返事をした。
「いた・・・確かに。あなたの他に一番最近話を聞きにきたのが坂巻莉音だった」
「そうだそうだ!確かにそうよ。凛菜に似てビクついたやつだったわね。まぁ凛菜ほどじゃなかったけど」
そう浜崎が言うと凛菜は再びビクッと反応した。
この二人に関してはなんで一緒にいるのか疑問に思ってしまう。
しかしうまくやっているのだろう、浜崎もイラついた様子はなく、新町の対応に慣れているようだった。
「そっか。ありがとう。とりあえず今日はこれぐらいにしとくよ。また話聞きにきてもいい?」
僕が浜崎の顔を覗き込みながらそう言うと浜崎は「べ、別にいいわよ。竜五の友達っていう吉見があるわけだしねっ」と言ったので僕は感謝を述べてその場を離れた。
やけに後ろから視線が刺さっている気がしたが、気にしないことにして僕は食堂を出た。
昼休みの残り時間も少なくなってしまっていたので、僕は購買で焼きそばパンと牛乳を買って教室に帰ると、大急ぎでそれを腹の中に押し込み午後の授業を受けた。
そして放課後、僕はトイレの雅子さんとやらの現場検証をするべく、まずは浜崎たちがいたと言う図書館へ向かうことにした。
そこで僕は、運命の出会いをすることになる。
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