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「た、確かに、そうやな・・・」
浜崎がそう同意したことで、矢野の案は採用された。
「もしもし、中にいる人、いたら返事してくれませんか?」
矢野はそう声をかけるが、僕は当然返事をしない。結果として、彼女たちの恐怖は加速する。
「な、なぁ。下から覗いてみーへん?」
恐る恐る言った浜崎の声に3人は同調した。まずいと思い僕は便器の上に立ち、足を見えないようにした。
釘塚高校は男子と女子で上靴が異なっている。上靴を見られたら男子だって言うことがバレてしまう。
「あ、ありえへん」
これまで黙りこくっていた佐藤はようやくそう声を出した。彼女らしくない、喉の奥から絞り出したようなほんの小さな声だった。
「みんな、とりあえずここから離れよ」
浜崎がそう言ったのに取り巻きの3人は肯定の返事をして一旦トイレから出ていったようで、声も足音もしなくなった。
しかし、足音がしなくなったのは廊下の途中までだった。
間違いない。彼女たちは廊下で僕が出てくるのをいまかいまかと待ち受けている。
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