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「……」
目を丸くして、倫太郎はこちらを見ていた。そしてふっと表情を緩めて、笑った。
「ありがと、酒井」
その笑顔のあまりの綺麗さに、由宇は何だか落ち着かない気持ちになった。慌てて腕時計を見て、
「あっ、私そろそろ休憩終わりだから行くねっ。キーホルダーありがとねっ」
とベンチから立ち上がり小走りで出入口に向かった。
「酒井」
呼び止められて振り向くと、倫太郎の真っすぐな眼差しが見つめていた。
「後夜祭、残る?」
「え……」
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