そしてふたりは、

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 そのまま俯いた少年は、石のように固まってしまった。  ここで、普通の常識的な大人ならば、何かを言って少年を慰めたりするのだろうが、私はまっとうな大人ではないので、そういった行動を取ることはできなかった。  私はさりげなくそそくさと、こそ泥のようにその場を離れようとした。  しかし、背を向けた私の後ろで、ぼそりと呟く少年の声が聞こえて、足を止める。 「……藤代修二がないなんて、終わってるよ。この本屋」  その絶望に満ちた声に胸を突かれた私は、思わず振り返った。  少年は背を向けて、店を出ようと歩き出しているところだった。  その小さな細い肩に指先が触れたとき、私は自分が少年を呼び止めようとしていることに気づき、そして自分がそんな行動を起こしたことに驚いていた。  少年も、終わってる本屋の不親切な女性店員にいきなり肩を掴まれたことに驚いたのか、その大きな目を見開いていた。 「なに?」 「あ、あの……」
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