そしてふたりは、

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 その強すぎる光をもった視線から、自分の目を守るように、私は本をぐいと少年の眼前に差し出した。  少年は賞状授与のようにそれを受け取ると、大切そうにその小さな胸へと抱えた。  子猫をあやすように何度も本の裏表紙を華奢な指で撫でていたが、ふと不安そうに顔をあげる。 「本当に貸してくれるの? お姉さんの私物なんでしょ、これ。本当にいいの?」 「え、ええ。読み終わったら、返しに来てくれればいいから……」  まるで万引きが見つかり、店員に叱られている人間のように、私はおどおどとしながら言った。  本を手放してしまった私は、その手をどうしたらいいのかわからず、もじもじと指先を絡めたり握ったりしている。  その手を見つめながら、少年が「ねえ」と口にした。
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