epilogue

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ごめん、ごめんと振り返ると頬を膨らませた葵が立っていた。 「おーい、置いてくなよぉ!! 」 鳥居から大声を出したのは、ライバルである彼だ。 今日は3人で出かけようと約束をしていたのだった。 「……さ、どこ行こうか」 「私、新しいケーキ屋さんができたって聞いたの!」 「お、ケーキか! いいな!! 」 駆け寄ってきた彼がケーキと聞いて目を輝かせる。 ……女子か、と心の中で思わず突っ込む。 「じゃあおやつ時にそのケーキ屋に行ってみるか」 「うんっ!!!!!!! 」 同じく目を輝かせて葵がうなづくと、先頭を切って歩き出した。 彼と龍人もそれに続く。 鳥居をくぐる時に境内を振り返ると、賽銭箱の裏が白く光った。 見覚えのある懐かしい感覚に、思わず目を細める。 ── あれは、かつてリューレストが使っていた魔力光だ。 きっと、お狐様が手紙を届けてくれるのだろう。 「ありがとう」 ポツリと呟いた声は、突如吹いた風にかき消された。 「おーい、龍人! おいてくぞー!! 」 ついてこない龍人を訝しんで、彼が叫んだ。
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