prologue

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 そこはまさに、地獄絵図をみているかのようだった。  村の入口まで異臭がし、人の気配が全くといっていいほど感じられない。  魔力探知をしてみても、魔力の気配はほぼ皆無であった。  僅かに感じ取った魔力は、人間のものではなく、恐らく魔物の残留魔力だろう。  ーー魔物の気配すらもこの村にはなかった。  村に1歩足を踏み入れると、そこは血の海だった。  人間の死体と、原型を留めていない魔物の残骸。  前者は恐らく、この村の者であろう。後者は村の魔法師が倒したものだと思われる。 「父さん!」  ふと、リュートの叫び声が聞こえた。  父親の遺体を発見したのだろう。  比較的まだ若い男性に綴るように泣いている。その男性の側には同じく比較的若い女性の亡骸があった。 「リュート……お父さんとお母さんか?」  アランの質問にリュート泣きながら首を縦に振った。 「そうか……ごめんな」  "助けられなくて"と口に出さなかったが、リュートは大きく首を振りアランにしがみついた。  リュートの涙は止まることなく流れ、泣き止むまでアランはリュートの頭を撫で続けた。
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