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本当は、次のバスが何時に来るか知らなかった。
バスが見えたら行こう。
そう思っていたから、時刻表を見ずにここに来たんだ。
それなのに
『……一時間』
最長の待ち時間を答えたのは何故だろう。
自分でもわからなかった。
「別に。暇だし」
言って、ポケットに手を突っ込む麻斗君。
「ありがと」
麻斗君は、なんだかんだ言ったって
いつもこうやって待ってくれる。
麻斗君は、決してあたしを一人にしない。
「…なぁ」
「何?」
「お前も暇…?」
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