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いつもよりも早いバスで学校へ来た。
正毅と出会わないように。
今、出会っても、何を話していいのかわからないから。
友達に戻る準備も出来ていなくて――。
「あんた、どうゆうつもり?!」
教室の前に立つと扉を挟んだ向こう側から声がする。
「何とか言ったら?」
……里奈の声?
よく似ている。
立ち止まり、扉についている小窓を覗く。
そこにいたのは、里奈と正毅だった。
正毅は朝練に参加しようとしていたのかな?
Tシャツにハーフパンツ姿だ。
正毅は机の上に座り、俯いている。
里奈は、扉に背を向け、正毅を見下ろすように立って言った。
「あんな接し方しといて、フルなんてありえへん!」
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