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「何食う?買ってくる」 「えっと…」 「たこ焼き?いか焼き?焼きそば?」 「なんでそんなガッツリ系なん?」 「いや、腹減ってるかなって」 そして、あたしの目尻に指を置いて 「……泣いたし?」 右側だけ口角を上げる。 優しいくせに、ちょっと意地悪。 そして、やる事がいちいちカッコよくて。 こりゃ親衛隊も出来るわけだわ。と納得した(親衛隊は、空想の世界だけども) 泣いたけど 今は胸がいっぱいで食べる気になれなくて… でも、連れてきてもらったから、いらないとは言えなくて 「あれがいい……」 あたしはそっと指さした。 「了解」 言って、麻斗君の手が離れた。 麻斗君は人混みの中に消えていく。
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