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あたしは首を横に振る。
正毅が人を見下す?
……そんな人じゃない。
あたしは歯を食いしばった。
自分で言った言葉を麻斗君が聞き返しただけなのに、正毅を侮辱された気がしたんだ。
そんなあたしを見て、彼はフッと笑って、空に投げるように言葉を放つ。
「俺、思うんだけどさ
同情って、自己満なんだ。
一度与えて、それで終わり。
自己陶酔して、満足して、去っていく。
でも、アイツは違ったんだろ?」
「うん……ずっと傍にいてくれた……」
そう。正毅は傍にいてくれた。
可哀想とも、同情してるとも言わずに
ずっと傍にいてくれた――
「好きとか、付き合うとか。そう言う愛じゃなくても
アイツはお前を愛してたと思うよ。
同情つーより、共感っていうの?
なんかうまく言えないけど……
それも含めて愛だから
あいつがくれた愛を疑うなよ」
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