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「やっぱ……俺……勘違いさせるようなこと、してた……?」
途切れ途切れに言葉を紡ぐ正毅。
自分で自分を軽蔑したかのような、弱々しいしい言い方だった。
そんな正毅に里奈は怒りを爆発させた。
「したやろ!したに決まってる!
いつも翼のまわりうろついて、何かあったら翼、翼、って言って……
みんな、あんたらの事、両想いやって思ってた。
もうじき付き合うって……噂してた。
それやのに……。あんた、何考えてるん?!」
怒りに震える里奈。
あたしのために怒ってくれている。
優しい里奈が大好き。
もういいよ……ごめんね、ありがとう。
心の中で里奈に頭を下げた時だった
「俺、悠さんと……」
正毅がお兄ちゃんの名前を口にした。
「……え」
「悠さんと約束したから」
「何を…?」
里奈の声に、正毅が何かを思い出すかのように空を見つめる。
そして、ゆっくり話し出した。
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