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去年の花火大会は、中学の仲良しグループ6人で行った。
真下で見ようという男子からの提案で、打ち上げ場所の近くへ移動した。
……けれど、
ギュウギュウに犇めき合う会場で
あたしたちは、バラバラになってしまった。
探したけれど見つからなくて、
結局、4人と2人に別れて、花火を見物を楽しんだ。
あたしは里奈と二人で。
6人が合流したのは、花火が終わってからだった。
『来年こそはみんな一緒に見ような!』
『そうやな』
『じゃあ、男子が場所取り、決定!』
『お前がとれ、榊』
『やっとあんたの出番が来たよ。マサキ君』
『お前……こんな時だけ……』
『来年、あたしはココにいませんからね』
『はぁ?』
『来年のあたしは"彼氏"と見に行くから』
『……叶わぬ夢』
『なんだと、こらぁッ』
そういえば、里奈と正毅はこんな会話をしてたっけ?
去年の夏を思い出す。
里奈は、夢を現実にしちゃったね。
あ~……だからか。
だから、正毅はあたしだけを誘ってるんだ。
「今年もみんなで行くん?」
と、あたしが聞く。
他校に進学した他のメンバーから連絡があったのかな?
みんな元気にしてるかな?
懐かしいメンバーの顔を思い出していた。
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