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「……」
あれ?
返事がない。
不思議に思い、横を向くと
正毅は腕を組み、眉間に皺を寄せて、何やら考え込んでいた。
「マ……サキ?」
じーと正毅を見る。
しばらくすると、チラッと一度だけこちらを見た。
けれど、すぐに視線を前に戻す。
口は一文字に結ばれてて――……
……一休さん?
ハテナマークをぶら下げて、一休さん風の正毅を見る。
何を考えているんだろう?
その時、彼の耳の下あたりが見えた。肌が赤く焼けていた。
あ~あ、やっぱり赤くなっちゃってる。
一人だけ陽の光を浴びていたからだ。
「正毅……焼けてるで?」
ツンツンと肩を突いたけれど、正毅は無反応。
おおーい。こっちの世界に帰ってきて~!
ブンブンと顔の前で手を振っても、気づかない。
……ダメか。(がっくり)
ジリジリと音が聞こえてきそうな陽光。
午後の太陽の光は、どんどんきつくなってくるように感じた。
熱中症とかなっちゃわないかな?
動かない正毅を見えていたら、心配になってきて
「正毅、こっちっ」
あたしは正毅の腕を掴んで、グッと引き寄せた。
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