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「翼~っ!急になんやねん!」 言いながら顔を上げた。 膝同士がぶつかって、距離が一気に縮まっていた。 正毅の右手が大きく動いて、あたしを包み込むような形になっていた。 顔面10センチの距離に正毅の顔があって。 「……っ!」 心臓が跳ねる。 あたしはすぐにを目を逸らして、言った。 「ごめん……っ」 声が上ずっていたと思う。顔が赤いと思う。 全てを自覚していたので、正毅が見れなかった。 俯きながら、謝ると正毅の両腕が静かに降りた。 「……」 「……」 抱き締められたわけじゃない。 どこかが触れたわけじゃない。 でも、 胸がつぶれてしまうんじゃないかと思った。 胸打つ心音が聞こえてしまう。 まだ好きだってバレてしまう……。 ばれたくない。 早く友達に 元の関係に 戻りたいのに――……。
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