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これ以上、正毅の傍にいるのはダメだと思って、その場に立ち上がる。
里奈の所へ帰ろう。
そう思った時、俯く正毅の首の後ろが見えた。
やっぱり、真っ赤。
耳の裏側まで赤くなっている。
真夏の直射日光を受けた肌は炎症を起こしていて……
「ちょっと待ってて」
あたしは近くにある手洗い場へ行き、自分のハンカチを濡らして、戻ってきた。
「はい」
「……ハンカチ?」
「うん。首の後ろ真っ赤やし。冷やした方がいいかなって」
「……ありがと」
太陽の光がまぶしくて、正毅の表情はよくわからない。
けれどハンカチを首に当ててくれて、ホッとした。
――ヨシ。
あたしは、スカートの裾を直して、深呼吸をしてから――
「……あのさ。花火の事やけど……」
正毅の質問に答える事にした。
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