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「ありがとうございましたーっ!」
今日の部活が終わった。
今日もハードだった。すごく疲れた。
でも、心地のいい疲れだ。
バスケをしている時だけは、深く悩まなくて済むから――
「かえろ!翼♪」
更衣室で着替えをしていると、先に着替えた彩菜があたしの肩からピョンと顔を出す。
何をやっても可愛いなぁ。
相変わらず、彩菜は美少女。
なのに、最近は彼氏も出来て(二人は付き合い始めたらしい)
輝きが増したように思う。
恋って偉大だ。
女の子をこんなに可愛くさせるのだから。
眩しさに目を細めた。
あたしの憧れを全て持った彩菜が羨ましい。
「何?翼、見すぎ~っ」
じっと見つめると頬を赤らめた。
女のあたしが見ていても可愛いんだから、男の人はたまらんだろうなと思う。ふむ。
その時
♪~
彩菜の鞄から機械音がした。
「彩菜、電話?」
「あ、ほんまや」
そう言うと、鞄から携帯を出した。
「中村君からだ」
画面を見つめて、幸せそうに頬を緩める。
「ごめん、ちょっと行ってくる」
鳴り続ける電話を持って、彩菜は部室を出て行った。
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