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彼女は手先が器用で、図画工作はお手の物。惚れ惚れするほど右手左手を交互に使い、シャキシャキと気持ちのいい音を立てて何かを作っています。
私は、いつも、その作業をじーっと見ているのでした。
更紗ちゃんが椅子に座ったら、私はその横に座って。
更紗ちゃんが立ったら、私はその横に立って。
更紗ちゃんがうつ伏せになったら、私はその横でうつ伏せになって。
しつこいくらいに彼女の作業を見ていました。
彼女は、一心不乱に工具を操り、三十分間ずっと手を動かし続けたと思えば、すぐに床に転がって休憩をしたり、眠ったと思ったらすぐに立ち上がって、今度はペンキで何かを始めたり。とにかく見ていて飽きない女の子でした。
私が見ていた理由の一つは、そんな彼女に惹かれていたから、でもあるのです。
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