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Side F episode. 1
公民館の中では、レクリエーションルームを丸々使った近所の小学生や作家さんの作った絵や陶芸の展示の他に、三つある会議室をそれぞれ開放して書道体験、生け花体験、陶芸体験の体験コーナーが行われていた。どれも飛び込み可で、何より無料らしい。そしてやはりというか、豚汁のサービスも行われていた。最もお昼ご飯は先ほど食べたばかりだ。行くとしても最後にした方が良いだろう。
現時点で展示に娘が興味を持つかどうかはわからないが、実際に体験した後なら興味を持つかもしれない。だとしたら最後にした方が良いだろう。とすればどこに行くかだが、
「みぃちゃん、書道しよっか?」
「しょどー?」
「そ、筆でお名前を書くの」
最近、平仮名を覚えたばかりで、とにかく字を書いてみたくて仕方がないのだ。チラシの裏や自由帳はもとより、メモ帳まで。とにかく一度、平仮名熱を冷ましておきたい。
「やる!」
期待通りの返事を受け取り、意気揚々と娘を教室のある部屋へと連れていく。
「じゃあ、レッツゴー!」
「オー!」
数分後、公園に出かける格好で良かったと、本気で思うことなど、この時はまだ知らない。
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