贖罪

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カラスの大群がガァガァと鳴きながらねぐらへと帰っていく。空は朱鷺色に染まり、僕の胸に一抹の哀愁を感じさせた。 先月、クラスメートの一人が自殺した。 丸まった背筋に、俯きながらぼそぼそと話す声。彼女には、誰ひとり友人と呼べる人がいなかった。 だからこそ彼女は、飢えた学生たちの格好の餌食だった。 いじめ自体はどこにでもある、いや、彼女を自殺に追いやるほど酷いものだった。 軽い陰口から始まり、物隠し、教科書への落書き、それから一部の生徒の集団リンチ…… 彼女――佐倉は、僕の後ろの席に座っていた。 僕は傍観者の立場で、彼女が肩を震わせて泣いているのに気づかないフリをしていた。 どうして、今日も学校に来るんだ。 僕はこれほどの屈辱を味わってもなお、登校し続ける彼女の行動が理解できなかった。 不登校だって、保健室登校だって、逃げ道はいくらでもあったのに……。
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