贖罪

6/12
前へ
/12ページ
次へ
その日のうちに、僕らは彼女が死んだことを聞かされた。 たった16年で、彼女の命は散ってしまったのだ。 僕は抱えきれない罪悪感と喪失感に苛まれていた。 あの時、声を上げていたら…… 彼女の瞳から、目を逸らさなければ…… もっと、もっと前から声をかけていれば…… 後悔ばかりが胸の中を駆け巡り、僕の身体を蝕んでいく。 彼女の自殺を受けて、学校はマスコミへの対応に追われ、新聞紙や週刊誌など至る所に彼女の名前が掲載された。 ぐるぐるぐるぐる 何も考えたくない。誰にも会いたくない。 深い、深い海の底に意識を沈めて……。 あの日以来、僕は一度も学校に行っていない。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加