4人が本棚に入れています
本棚に追加
どこまでも青く澄み切っている空を、一筋の飛行機雲が切り裂いていく。
「死にたい……」
唇から漏れた言葉は、壁の中に吸い込まれて消えていって。
つまらない日常。つまらない学校。つまらない自分……
収まりきらないイライラが募り、僕は拳で壁を殴った。
あ、佐倉のだ。
コン、と音がして机の上から本が落ちてくる。
結局、彼女に返せなかった……
床に落ちた本を拾い上げ、布製のブックカバーを指で優しく撫でた。
彼女は、今までどんな本を読んでいたのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!