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これまでに相当読み返してきたらしく、ページは日焼けしているものの、目立った汚れはなく、丁寧に扱われてきたことを窺わせる 。
一体、彼女があれほど必死に破り捨てた最終章には、どんな短編小説が載っていたのだろう……。
僕は疑問を抱きながら、何日も閉じ籠っていた部屋を後にした。
真っ白のTシャツにジーンズを履いた僕に、サンサンと太陽が降り注ぐ。すぐ近くの林の中から、ミーンミーンと蝉の鳴き声が聞こえた。
僕は自転車に飛び乗り、風を切るようにして颯爽とペダルを踏み混んだ。
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