scene.7

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隠し事をしなければいけないことに泣きそうになった。 すると、雪穂が僕の頬にそっと触れてきた。 両手で包み込んでくれる彼女の手。 顔をあげると、雪穂と視線が絡んだ。 だめだ。 涙が出そうになる。 こんな情けない姿を見せたくなかったのに。 「伊緒、また会えて嬉しい。会いに来てくれてありがとう」 「ゆきほっ…」 彼女の声はどこまでも優しく、澄んでいた。
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