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中学生
『行きなさい。早く、前に足を一歩踏み出すの。じゃないと絶対後悔するわよ』
『やめとけよー、恥ずかしいじゃんかー。クラス中の笑いもんになるぞ? 静かに見守っておけよ、そのうち終わるから』
『そんな簡単に終わるとか言う話じゃないでしょ。ほら、良く見て。あの子の顔、凄く泣きそうじゃない。あんな辛そうに我慢してる顔をさせておいていいの? 幼馴染でしょ? 彼女が泣いてても手を出せなくて、今まで歯噛みしてたじゃない。今しかないわ、早く』
『でもよー。今この場で前出たら間違いなく冷やかされるぜ? それに次の標的にならないとも限らないじゃんか。いいからやめとけって』
「……おい、謝れよ。お前らだろ、これやったの」
「あ……その、いいから。私のことは、気にしないで……」
「クラス中みんな知ってんだぞ。こいつのノート破ったり、上履き隠したりしたのお前らだろ。今日のこの黒板の落書きだって! 謝れよ! ほら、謝れって言ってんだよ!!」
「やめて、それ以上したら、次あなたが何されるか……」
「大丈夫だよ、こいつらは人が見てないところでしか虐めできないクソみたいな奴らだから。言っとくけどな、今度こいつに手出したら、俺はありとあらゆる手段を使うからな。知ってるか、虐めって物によっては警察を呼んでも良い案件なんだぜ? 俺はこいつが泣きながら裸足で家帰ってきたのもずぶ濡れにされてたのも知ってる。今回の黒板とお前らの服についたチョークの粉、今までは証拠がなかったけど、今回は証拠が完全に揃ってるんだぜ。許さねーぞ、マジで」
「……グスッ、ありがとう」
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