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高校生
『ダメ! それはダメ! 見ちゃダメ!』
『ケヘヘ、やったじゃねーか! 今なら大丈夫だ、ちらっと見ちまえば気付かれねーよ。ほら、早く!』
『ダメだって! せっかく今まで頑張って来たんじゃない! それをこんな卑怯なマネしちゃダメ! あの子に顔向けできなくなるわよ! いいの!?』
『何言ってんだ、ここで失敗したらアイツに会う機会だってガッツリ減っちまうじゃねーか。だから必要なコトなんだよこれは。それに、どうせ見たってバレねーよ』
『ダメ! そんなことするくらいなら、他のを見直ししましょう、ね? 確かにその一問はできれば正解させたいけれど、でも、ダメ! わからないなら後回しにして、他を完璧にすればまだ挽回でき、あ、ダメ、いけない!!』
「お、おぅ。お前もここ、合格したのか。さすがだな」
「あ、あなたもここの高校合格したの! いっがーい。すごいじゃない、よく勉強したわね。バカのくせに」
「ば、バカは余計だ! ……でもまあ、かなりギリギリだったけどな。危なかったよ」
「ギリギリでも凄いじゃん。でもなんで? あなた勉強嫌いじゃん。もしかしてカンニングでもした?」
「うっ……し、してねーよ。お、俺だって真面目にやれば、で、できるんだよ……」
「ふーん……ま、あなた意外と真面目なところあるしね。本気で勉強したんだ。偉い偉い」
「……ああ、まあな。うん……」
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