第1章 スタート

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有希さんが帰った後 カーリーが 『なぁ~、けんち~~、青山の有名店って、イマジンの櫻井さんの事じゃないか? あの人、イマジン辞める時、モデルや芸能人の顧客をゴッソリ持って代官山に出店しただろ?その後もどこだったかに支店出したって何かに書いてあったし』 『え?そうなんすか?イマジンって店も櫻井さんって人も美容雑誌で見た事はあるけど、俺その辺疎いんで』 『けんち、お前さぁ、もうちょっと業界の事、勉強した方が良いよ』 『はぁ~』 『ここだけの話しだけどさぁ、俺は、いつまでも、こんな終わった店にいるつもりないし、正直、櫻井さんが牛田に店出すなんて、俺からしたら、マジかよ~~??って感じだし』 『はぁ~』 『あ、この話し、オーナーや有希さん、田中さんにも言絶対言うなよ??じゃっ、お先っ、おっつかれ~~』と言って出て行った。 あれ?今日はワインディングの練習見てくれないんすか?って思ったけど、言わずに 『おつかれした~』と頭を下げた。 カーリーは、埼玉の秩父出身で、俺みたいな田舎から出て来たヤツには、いつも上からファッションや音楽の話をする。 でも、俺からすると、上村君、あなたもそこそこ田舎者ですよ?って感じで… 休みの日は、必ず代官山や恵比寿に行ってるらしく、俺に 『けんち~~、お前、休みの日、何やってんの?』って聞いてくるんで 『あー、ほとんど家にいて、ラーメンズのDVDみたり、ゲームしてますね』と言うと 『ラーメンズ?何それ、お笑い? 俺は、お笑いなら永野が好きだけど』って。 えっ?ロン毛命なのに、ラーメンズ片桐知らないって、モグリかよっ。 『そうなんすか… 上村さんって、MJって言ったら 誰思い浮かべますぅー?』 『えっ、何?唐突… う~~ん、松潤?あっ、マイケルジャクソンか~~??』 女子かよ? マイケルはヨシとして、松潤って 女子なのかよ そこは、ロン毛命なら、みうらじゅんだろっ そんな時、この人とはつくづく合わないわと思う。
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