私とパンティの甘美な出会い。

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取り敢えず、人と話すときは、相手の目を見て、被り物は取り、口に含んだものがあるなら出すべきだろう。 私は自分の唾液でベトベトになったピンクと黒のストライプオパンティスを、さながら口から世界の国旗をすーっと取り出す奇術師の様に、相手の目を見たまま、逸らすことなく取り出した。 彼女は私を見て、何が起きたのか理解が追いつかない様子で固まり、目の焦点は完全に止まっていた。 ーー私の奇術に感激したのだろうか。 最早手にしたベトベトな禁断の果実は、私の思考や判断力を大きく下落させ、彼女にたいしての対応など、微塵も配慮する事は叶わなかったのだ。 「それ、私のパンツ......ですか......?」 私の手に持つ禁断の果実を見て、震えるような声で女性が問いかける。 「ええ、そうですね。とても芳醇な香り、柔軟剤はシトラスの柑橘系の香りですね。フルーティです。見事な造形をした可愛らしいオパンティスに、柑橘系のアクセント、ディモールト! 実に素晴らしい」 「あの、警察とかは呼ばないので......見逃しますので、そういう事は今後一切しないでください......」 警察。その言葉で少しばかり現実に引き戻された私だったが、逆にここで引いたらただの変態として、彼女は私を一生蔑むのであろう。 私を卑下するのはいい。 だがオパンティスの造形美、有用性、存在価値、どれをとっても伝説級(レジェンダリークラス)のアイテムまで彼女は嫌な目で見てしまうのではないか? それだけは避けなければならない。 私はベトベトのオパンティスを頭に被ると、彼女と改めて向き合い、口を開いた。 「貴女の名前を教えていただけませんか?」 沈黙が辺りを包み込む。黙秘権。そう彼女は黙秘権を行使しているのだ。 心を閉ざし、オパンティスを被る私をどう思っているのだろうか。 知りたい。 彼女の全てが知りたい。 パンドラの箱を開けるのは簡単だが、開けた先には何が待つのだろうか。 しかしながら開く事すらしなければ、状況の打破など出来はしない。 ならば私は開けるのだ。パンドラの箱を。彼女と 一緒に。 私は徐ろに洗濯物、もとい禁断の果樹に手を伸ばし、もう一つの禁断の果実に手を伸ばした。 淡い緑と黒の縞々ストライプ、可愛らしいフリルもついたオパンティスを両の手で広げると、優しく彼女の頭に被せた。
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