La Vie en Rose 2

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日本人同士でも細かいニュアンスが通じ なくて地域性を感じることがある。 ましてや日本とまったく異なる文化を持つ フランス人が相手なら、抱くイメージが 異なると考える必要があるだろう、と。 ひとしきり飲み、食べ、話した四人が店を 出ると、まるい月が光を注いでいた。 「わぁ、きれいな月。」 「今日は満月だったんだ。」 満月を愛でるのは日本人ぐらいだぞ。欧米 人は狼男が現れるとか言って忌み嫌うんだ。 狼も西洋では害獣だが、日本人は大きな 神と書いて崇めていた。当然美意識だって 違うさ。美月はいつか浩也が言っていた ことを思い出した。
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