はじまり

3/9
前へ
/27ページ
次へ
1年半前、旅人が軽い気持ちで悪魔の神官の封印を解いた。 だが、この国の勇敢な21代目の幼い双子の兄妹と近衛兵士が神器を使い、仲間たちの助けもあって再び封印をした。 半年後、王女はもっと強くなるために長い長い旅に出た。 「もう1年か。すごい距離を徒歩で来たけど………なんなのよここは」 ハルカ・ルイ・ムゲンブソウ。 金髪に青と赤のオッドアイ、額には角がある。11歳だけど小柄。 ハルカは夢幻武相の王女なのだ。 だが、ただいま見渡す限りの広い荒野にいる。枯れ木と少しの雑草、湿気が多いけど空気は冷たい。 「やっぱりどう考えても街はないよね………ん?」 血に飢えた魔物がハルカの背後に迫っていた。あまり大きくはないが、トラに似た化け物だ。 「ぐるるる……」 「私とやろうってんだ」 ハルカは両手に短剣を持って構える。だけどこんなヤツ相手にするほどヒマじゃない。 「さよなら♪」 逃げれば当然、追ってくる。 案の定、トラは追ってきた。 「へへん……よっと」 ハルカは素早く足元にトラップを仕掛けた。真っ直ぐしか走れないヤツなんて片付けるのは容易い。 どっかぁぁぁん!! 「ひぃ!」 仕掛けた爆弾が破裂し大爆発を起こした。いつやってもすごい破壊力だ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加