2人が本棚に入れています
本棚に追加
1年半前、旅人が軽い気持ちで悪魔の神官の封印を解いた。
だが、この国の勇敢な21代目の幼い双子の兄妹と近衛兵士が神器を使い、仲間たちの助けもあって再び封印をした。
半年後、王女はもっと強くなるために長い長い旅に出た。
「もう1年か。すごい距離を徒歩で来たけど………なんなのよここは」
ハルカ・ルイ・ムゲンブソウ。
金髪に青と赤のオッドアイ、額には角がある。11歳だけど小柄。
ハルカは夢幻武相の王女なのだ。
だが、ただいま見渡す限りの広い荒野にいる。枯れ木と少しの雑草、湿気が多いけど空気は冷たい。
「やっぱりどう考えても街はないよね………ん?」
血に飢えた魔物がハルカの背後に迫っていた。あまり大きくはないが、トラに似た化け物だ。
「ぐるるる……」
「私とやろうってんだ」
ハルカは両手に短剣を持って構える。だけどこんなヤツ相手にするほどヒマじゃない。
「さよなら♪」
逃げれば当然、追ってくる。
案の定、トラは追ってきた。
「へへん……よっと」
ハルカは素早く足元にトラップを仕掛けた。真っ直ぐしか走れないヤツなんて片付けるのは容易い。
どっかぁぁぁん!!
「ひぃ!」
仕掛けた爆弾が破裂し大爆発を起こした。いつやってもすごい破壊力だ。
最初のコメントを投稿しよう!