はじまり

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「あなた、名前ないんだよね」 「おまえハルカ。覚えた」 「う~ん」 ニコッと笑う少年。ハルカは2本足で立っているけど、少年は4つんばいのほうがいいのか? 「そうだ、あなたの名前は“エディ”だよ!」 「……え、で……?」 すぐには覚えられないようだ。 そりゃいきなり言われてすぐに覚える人なんていないか。 「名前がないと困るかもしれないからね。あなたはこれから“エディ”だよ」 「え、でぃ……」 「うん、そうそう。エディ!」 少年の名前はエディ。 エディはスッと、2本足で立つと、その名前を繰り返し呟いた。 実際に立ってみると、ハルカよりも幾ばくか背が高い。 頭1つ半くらい。 「そうだ、せっかくだから私についてこない?」 「がう?」 「エディさえよければ、だけど」 ハルカの言葉にエディはうーんと考えている。意味を理解しようとしているのか、 はたまた、いこうかどうか考えているのか。 「……うまいもん、くえるか?」 「さっきのより美味しいのは世の中にたくさんあるよ」 「……じゃあ、いく!」 野生児エディは元気よく答えた。 ハルカとしても1人は寂しかったし、心細かった。 ハルカは新たな仲間、エディと共に旅を再開した。
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