第一章 鳥居さん

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 これは私が某コールセンターにて、テレフォンオペレーターとして働いていた時の同僚の話です。  当時、私は大手企業のコールセンターに派遣社員として就職が決まり、研修が始まりました。  どんな人達と同期の新人として、研修を共に頑張っていくのか、私の胸は希望で一杯です。  そんな研修時、私の隣席に座した女性が<鳥居さん>です。長い黒髪を後ろで束ね、少し猫背な見た目普通の女性に見えます。  新人の研修では、座学にはじまり、隣席同士で御客様役・オペレーター役に分かれて、模擬練習などを行います。  私は鳥居さんと模擬練習を行いました。  模擬練習は滞りなく終わり、五分の休憩時間になった時、鳥居さんから話しかけられました。  これから新人としてつつがなく仕事に励むには、同期の同僚と仲良くなるのは必要不可欠と考えていた私は、雑談を待ってましたとばかりに返事をしました。 「土田さん……ちょっといいですか?」 「あ、鳥居さん。さっきは模擬練ありがとうございました。どうかしましたか?」 「いえ、あの……土田さんってパソコンとか詳しいですよね?」  鳥居さん(他同僚含め)にパソコンが得意だと吹聴した覚えはないが、人並の知識はある。 「まあ、人並には使えますね」  応じた刹那、鳥居さんは急に押し黙り、神妙な面持で話し始めました。正直、突然空気が重くなった気がし、私は唾を飲み込みました。
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