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静岡県のとある田舎町に俺は住んでいる。
高校二年/一七歳/新山 華人(にいやま はなと)
どこにでもいるような普通の学生である。
好きなものはアニメとゲーム。
ただ他人に自己紹介をする時は「趣味は音楽鑑賞です」なんて偽ったりもする。
何故なら俺は隠れオタクで、この趣味をオープンにするつもりはないのだ。
「雪菜ぁぁぁぁ! 遅刻するぞぉぉぉぉ!」
魂震える叫びをあげるも、返事は無い。
駄目だ。起きる気配がない。
お隣さんとは昔からの付き合いがあり、自宅は窓の外の、ベランダとベランダで行き来が出来るほど隣接しているのだ。
「しょうがないな......」
俺はベランダからベランダへと飛び移り、窓を開けて幼馴染宅に侵入する。
「やっぱり寝てやがったか......雪菜、おい、雪菜!遅刻するぞ!」
「うー......あと五万光年......」
「それは距離だっ!」
よし、朝から俺のツッコミはキレッキレだ。絶好調。
そしてこの女なのに、何とも冴えない感じの方が
高校二年/一七歳/一ノ瀬 雪菜(いちのせ ゆきな)
生まれた瞬間からの幼馴染であり、『ド』が付くほどのオタクだ。
布団がはだけ、下着姿の雪菜があらわになる。
「ーーーーーーーーおまっ! おまえ! 見えてるから! 一切合切大事なところっ! 全部見えてるから! 」
ーーちなみに赤と黒のレースのあしらわれた妖艶な下着でした。
「むぅー......寒いぃぃ......氷河期ぃぃ......おふとん......」
俺の服の裾をつかみ、ぐいっと引き寄せる雪菜。
布団代わりに抱きしめられた俺は、身動きが取れない。
ぽよん。
当たってる。
ぽよん。
雪菜のおっぱいが。
ぽよん。
ーーまずいまずいまずい。
ちゅっ。
首筋に雪菜の唇が触れた。
「ぬぉぉぉぉ! 股間がチョモっ! チョモランマぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
既に生理現象の一環として、立派なテントを張った愚山チョモランマを鎮めるために前かがみになり、祈り続ける。
「おぉ......はーくん......おはよぉ......」
眠れる暴君雪菜様の起床が確認された。
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