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出掛けにぐずぐずしてたせいでみんなとの待ち合わせの時間に少し遅れてしまった。 歩きづらい・・歩幅は狭いし馴れない下駄は鼻緒が気持ち悪かった。 会場近くまで行くとわざわざ見つけなくても女子の群れで直ぐにお目当ての人達は見っかった。 キヤイ、キヤイ五月蝿い中、あたしの声が聞こえるか疑問だが・・一応声をかけた。 「ごめん、遅れ――」 「うわぁ~、コマリちゃんかわいい!キレイ!」 「コマリ、凄~い!かわいい!」 五月蝿い中、直ぐに庄屋くんと加奈子があたしに気が付いて傍に寄ってきた。 庄屋くんは栗色の髪によくはえる紺色の浴衣にグレーと黒の帯を締めていた。 長身で着こなしも上手くてカッコ良かった。 加奈子は髪を高く結い上げてモダンな薔薇の花が描かれた浴衣を着てた・・一段と大人なぽくて綺麗だった。 あたしが2人に見惚れていると、突然、後ろから手がのびて来て目を塞がれた。 「コマリす、李人のこと見すぎだ」 目に触れた正樹くんの手にドキドキした。 正樹くんと会うのは正樹くんが病院から退院した日、以来だった。 「みつあみ・・久しぶりだな」 正樹くんがあたしの髪に触れた。 あたしは前に教室で意地悪されてみつあみした髪を引っ張られて痛い思いをしたことを思い出して・・思わず後ろを振り向いた。 うゎ・・カ、カッコ良すぎる・・・プラチナゴ―ルドの髪に翡翠色の目と同じ銀色と瑠璃色の縦縞の浴衣に・・落ち着いたグレーの帯を締めていた。 正樹くんの浴衣は彼の長身によく生えていた・・・暫く目が離せなかった。 「クスッ、コマリす、ボ―としすぎ」 正樹くんに持ってた扇子で扇がれた・・当然のことながら周りの視線も凄い。 なんか・・・こんな目立つ人たちと一緒にいるの気が引けた。
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