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今まで殆どの行事にまともに参加した事のないあたしには只、面倒な事でしかなかった。
学年委員会が終わったのは7時前だった。
川村くんとは委員会のあった教室の前で別れた。
あたしは置いてきた鞄を取りに教室に戻った。
教室にはまだ・灯りがついていた。
ドアを開けようとした時、人の話し声が聞こえた。
「玲哉、もう一度、私と本気でつき合ってよ」
・・ん?玲哉?・・だれ?
聞くつもりはなかったけど・・・なぜか足が動かなかった。
「なに?また、その話――」
「私、やっぱり零哉ともう一度、真剣につき合いたいの!」
「俺、何度も言ったよな?無理だって。・・もう、やめようその話・・帰るわ」
「玲哉、待って!」
えっ~?・・ま、まずい教室から誰か出てくる!
・・か、隠れなきゃ・・・うっ、隠れ場所がない・・・思わず、バカなあたしはドアの前にしゃがみこんでしまった。
と、その時・・目の前のドアが勢い良く開いた。
「・・・・・」
「へぇ~・・盗み聞きする趣味があったんだ?」
うん?この声は?
頭の上から聞こえた声に聞き覚えがあった。
恐る恐る顔をあげると・・ひっ・・恐ろしく意地の悪い顔で頬笑む正樹くんがいた。
「いい趣味してんじゃん。なぁ・・メガネ猿」
あたしは、あまりの恐怖と気不味さで腰が抜けてしまった。
腰が抜けて立てないあたしを正樹くんは呆れ顔で見てた。
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