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日向コマリ・・人生最大の災難だ! 「え~では2年2組の学級委員は日向コマリに決定だな」 うっ・・・そ、そんな~無理、無理、無理~! たった今・・投票で獲得数一位で・・あたしが学級委員だなんて・・・何かのまちがいだ・・・悪夢だ。 「ほんじゃ・・日向、新委員の挨拶しろ」 担任の後藤先生が・・あたしを教壇から手招きした。 「・・うっ」 緊張して・・教壇までまともに歩ける気がしない。 「ほら、早くしろ、HRおわちまうぞ~」 「・・は、はい」 からくり人形みたいたな歩き方で教壇まで行ったあとのことは何も覚えてない。 何・・挨拶したかどうやって自分の席にもどったかも。 フエ―ドアウトした頭の中は未だに真っ白です―― 「コマリ、災難だったね~・・あたし、絶対投票してないからね~」 いつもなら学校生活の中で一番幸せなランチタイムも今日は幸せになれないよ。 高校に入ってからの友人、橋屋加奈子はいつもどおりのテンションで美味しいそうにお弁当を食べてる・・・ 悲壮感漂うあたしの前で。 あたしは・・机に突っ伏して呟いた。 「なんで・・あたしなのよ?・・引っ込み思案で地味でコミュ症で・・花のないあたしが投票一位って・・・嫌がらせ?イヤ、いじめだ・・」 どうせ・・こんな呪文みたいな呟き誰も聞いちゃいないんだから。
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