204人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
「お前、一年の頃からずっと成績、学年上位だっただろ?成績が張り出されてる掲示板のせいで名前だけは有名だったんだよ。クラスで投票があった時、誰かがお前の名前書くように指示してお前が投票数一位で学級委員にされたってわけ··」
「·····」
嘘?···クラスのみんなに?
どうして··そんなこと?
必死で目立たないように頑張った努力は何にもならなかったてこと?
名まえが有名って何?
訳わかんないよ···なんで今頃、正樹くんがそんなこと言うの――
「おとなしくて地味で自分の意見も言えそうにない。投票で一位になればお前ならみんなが嫌がる面倒な学級委員、文句も言えずに引き受けるって思われた···それが真相だよ」
「······」
そんな···でも···正樹くんの言ってる事は間違ってなかった。
だけど···地味で目立たないようにしてて何が悪かったの?
何で利用されなきゃなんないの?
そんなの酷い···あんまりだ。
「···何でそんな酷いこと平気で言えるの?··あたしが正樹くんになんか悪い事した?今さらそんな話し聞きたくなかったよ!」
初めてだった。
誰かに対して自分の感情を露にして言葉にしたのは。
私は怒りにまかせて泣きながら教室を飛び出した。
「待てよ――」
後ろであたしを呼ぶ正樹くんの声がした。
···気がつくと家の前 にいた。
あたしの足は無意識に家に向いていた。
最初のコメントを投稿しよう!