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「待てよ!玲哉」
「李人・・お前、俺のこと一番わかってるよな?」
「・・わかってるよ」
「だったら、口出すな」
小学校に上がって、間もなく俺へのイジメがはじまった。
容姿に対する誹謗、中傷から始まり同じ幼稚園から一緒だった子達も誰も俺と遊んでもくれなくなり口すら聞いてくれなくなった。
唯一、李人だけは側にいてくれた。
だが、ある時、李人は階段から落ちて大怪我をした。
俺と仲良くしたからだと学校中で、噂になった。
その後、イジメは益々エスカレートして、教科書、鉛筆、筆箱、体操服に至るまで・・・いろんな物を捨てられたり引き裂かれたりした。
そんな中・・李人以外で・・唯一人・・澪だけが優しく接してくれた。
傷ついて泣いてる俺を慰めてくれたり・・無くなったものを補充してくれたりした。
不思議なことに俺自信に危害が加わることはなかった。
イジメは小学校を卒業する頃まで続いた。
俺は・・真実を知った・・・全ては澪の指し金だったと。
澪の家はその地域の権力者だった。
幼い頃から我が儘で全て自分の思い通りにいかないと気の済まない性格だった。
俺はこの容姿が災いしたらしい・・俺の周りから人を遠ざけて・・澪だけを信じて澪だけを頼るよう仕向けるために・・業と俺と遊ばないように・・口を利かないように命令してたらしかった。
澪は・・あらゆる手を使って周りの人間を服従させていた。
李人は見せしめだった・・李人のようになりたくなければ俺に近付くなと・・とんでもない警告だった。
・・でも、李人は退院した後も以前と変わらず・・俺に接してくれた。
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