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―said玲哉――
「・・ったく、泣くぐらいなら俺に言え・・・ばかリス」
コマリすは膝を抱えて眠ってた。
教室を出た後、李人に澪の話しを聞いた。
教室に戻ろうとしたとき授業が始まる直前、教室から飛びだして行くコマリすの姿が見えた。
気になって後をついて来た・・まさか・・屋上でお昼寝とはね――ん?・・コマリすの頬に涙のあとがあった。
俺は指でそっと拭ってやった・・コマリすの頬は柔らかかった。
・・こいつの涙は見たくない・・胸が痛くなる・・きっと・・愛しい――え?・・こいつが・・?
なんで・・こんなこと?・・俺は自分の胸に湧いた初めての感情に戸惑った。
正直・・コマリすに・・コイツに対する気持ちがなんなのか・・良く分からなかった。
でも・・目の前で眠るコイツを見てて・・どうしてもほっとけなくて・・コイツが目を覚ますまで傍にいてやりたいと思った。
只・・今は、まだ・・この気持ちを表現出来る言葉が見つからない。
でも・・コイツが・・俺にとって・・他の奴らとは違う・・特別な存在なのは確かだった。
もどかしい・・思いの中・・俺はそっと・・コマリすの頬を撫でていた。
・・ ばかリス・・・何時間寝るつもりだよ?
2~30分くらいなら付き合ってやろうと思ったけど・・・もう下校時間じゃねぇか。
「おい、日向!・・おい!日向、起きろ!」
「ん・・£%#&*」
は?・・こいつ、寝言かよ・・ったく・・呑気なもんだな。
「日向、起きろ!起きないとキスするぞ!」
「・・はい・・?」
ぷっ・・コマリすのヤツ・・俺の言葉に反応したのかどうかわかんねぇけど・・慌てて起きやがった。
「やっと、お目覚めかよ。もう、放課後だぞ!・・帰るぞ!」
俺は寝惚けたコマリすの手を引いて屋上を後にした。
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