17

2/3
前へ
/125ページ
次へ
?・・ど、どういうこと・・・状況がつかめない。 屋上で寝てたら誰かに揺り起こされて目が覚めて・・いきなり手を引かれてた・・し、しかも・・・正樹くんに。 「あ、あの・・・正樹くん、もう大丈夫だから、手を・・」 「あ!・・ワリィ」 正樹くんが慌てて、あたしの手を離したのと同時に・・・加奈子の声がした。 「コマリ~どこ、行ってたの?帰って来ないから心配してたんだよ~」 教室から出てきた加奈子が、あたし達に気づいて駆け寄ってきた。 心配そうな顔をした庄屋くんも一緒だった。 「あ・・ごめん。・・気分悪くなっちやって保険室に・・」 また、嘘を吐いた・・嘘つきな自分が・・嫌になる―― 「そうだったんだ。まさか、正樹くんも一緒に?」 「・・あ・・俺は・・サボリだ」 加奈子は、なんだか納得のいかない顔であたし達を見てた。 「ねぇ、早く帰ろ~うよ。下校時間とっくに過ぎてるよ~」 庄屋くんの言葉に気不味かった雰囲気が少しだけ和んだ。 正樹くんと庄屋くんとは校門の前で別れた。 加奈子は帰宅中・・二人だけになっても・・さっきのことは何も聞かなかった。 なんとなく・・気不味い雰囲気だった―― 「ねぇ、コマリ、コマリは私のこと友達だと思ってる?」 「・・うん・・・思ってるよ」 「私・・コマリの沈んだ顔や・・つらそうな顔見たくないよ」 加奈子の横顔が母と重なった。 まただ・・・あたしは、あたしを大切に思ってくれてる人に・・心配させてしまった。 加奈子の悲しそうな顔に胸が痛んだ。 加奈子は初めてあたしを・・友達と呼んでくれた・・・あたしには大切な人だ。 「ごめん、加奈子。・・あたしの話し聞いてくれる?」 あたしは学校であったことを主に・・これまでのことを加奈子に話しした。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加