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飲み物を頼んだ後、澪さんは真っ直ぐにあたしの顔を見た。
身体が竦みそうなくらい怖い目だった。
改めて見る澪さんは・・やっぱり綺麗だった――
「玲哉に、余計なことをするなって忠告したわよね?私の忠告、聞き入れてもらえなかったみたいね?」
恐い・・こんな経験初めてだった。
殆ど人と関わってこなかったせいで・・・今まで他人とケンカしたり揉めたりすることが一切なかったあたしはど・・うすればいいのかわからなかった。
あたしは何も答えられないまま・・涙が出てきた――
「玲哉のことも・・そうやって気を惹いたの?玲哉の前でも泣いて弱い女の子を演じてみせたの?」
え・・澪さんの言ってることの・・意味がわからなかった・・・演じるとか・・なに?
「ほんと、貴方みたいな人イライラする!なんとか言いなさいよ!」
うっ・・・これは前に正樹くんにも言われた言葉だった。
「あ、あの・・あたし・・・あんまり人と接することがなくて・・イライラさせてしまって・・ごめんなさい」
「どういうこと?貴方、可愛いからモテるんじゃないの?それで、玲哉に近付いたんでしょう?」
はい?この人は何を言ってるの?・・可愛い?・・モテる?・・それでって?・・なに?・・誰のこと?
「・・あの・・澪さん・・誰かと勘違いしてませんか?」
「貴方、人のことバカにしてるの?」
ひっ・・澪さんは益々怒ってしまった・・ううっ・・誰か・・助けてください。
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