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でも、1人だけ私の言うことを聞かない者がいた・・・李人だ。
玲哉を私だけのものにしたいのに・・・李人は邪魔者だった。
私は李人が玲哉のそばから消えれば良いと思った。
ある日、学校の階段から李人を突き落とした・・李人は6ヶ月も入院するほどの大怪我をした。
・・本当は・・私は怖かった。
ほんの少し脅かすだけのつもりだったのに・・怖い思いをした李人が玲哉から離れて行くことを願っただけだったのに。
階段から李人を突き落としたとき李人の頭からおびただしい血が廊下に流れた。
李人はまるで血の海に横たわっているようだった。
その光景を見た時、私は初めて自分のしたことの恐ろしさにさに気がついた。
それでも、玲哉を諦める気にはなれなかった。
私の命令による玲哉へのイジメは私達が小学校を卒業する頃まで続いた。
だんだんと私から人が離れていった、私の我が儘にみんなが付き合いきれなくなったようだった。
私は玲哉へのイジメを止めた・・その代わり私の気持ちを告白した・・・ずっと玲哉が好きだったことを。
私の思いは・・玲哉に拒否された・・・それでも、長年の思いを・・簡単に私は諦める事はできなかった。
間もなく李人が退院してきた・・李人は以前と代わりなく玲哉の傍にいた。
私は李人が怖かった・・ひょっとしたら李人を殺してたかも知れないと思う恐怖から・・李人に自分から近づくことができなかった。
李人は以前と替わらない距離で私とも接してくれた。
李人の退院後、玲哉は私との交際を承知してくれた。
多分、私から李人を守る為に承知したのだろう・・私はそれでも良かった。
いつか玲哉に本当に愛してもらえる日が来るなら・・そう、思った。
でも・・・いまだに・・玲哉の心は私のものではなかった。
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