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「このレベルの難問が解けないと難易度AAAに挑むのは無謀か。
これは参ったな」
「ホント、これはちょっと無理よね」
タンゴとミサキの表情が曇る。こんな問題を自力で解けるのは普通の
人間じゃない。超天才か、よっぽどの変人だ。
「オレはやってやる! オレが父さんを絶対助ける!」
それでも岳は叫んだ。自分が安易にゲームに参加した挙句、父親が
自分の身代わりになったのだ。当然責任を感じてしまう。
だが、岳の気迫とは裏腹に状況は絶望的に厳しい。そもそも対戦クイズ
の登録料4000ムーガなんてどうやって貯めれば良いか判らない。
その時岳の耳にミカリンの声がした。
「悪魔さんが登録すれば良いのよ」
すぐ側にタンゴがいるが、彼は何も喋っていない。ミカリンの
空耳が偶然聴こえただけだったが、それは窮地を救う策だった。
「おい悪魔、オマエの寿命はあとどれくらいある?」
「は、私? 後2000年近くは生きると思いますが、何か?」
「それならバッチリだ。悪いがオマエの名前で新規登録してくれ」
「はあ~? どうして私がそんなことしなきゃならないのですか。
キッパリお断りします!」
ダンタリオンの13の顔のうち8つが怒りで顔を真っ赤にする。
残りの3つはさっきからコソコソお喋りをしていて、残る2つは
爆睡している。
「母さ~ん、ちょっと来て!」
すかさず岳が大声で一階の母を呼んだ。リいビングで雑誌を
呼んでいた由香里がトントントンと階段を登って来た。
「どうした息子よ……って、純次さん久しぶりじゃん!」
由香里の姿を見た途端、モジモジする悪魔。
「この悪魔が母さんのファンらしいんだけど、僕達の頼みを
聞いてくれなくて困ってるんだ。それにしても何でアダ名が
純次なの?」
「何でってそりゃ顔が高田純次に似てるからだよ」
13の顔のセンターにいる老人の顔がソックリだからと、レイが
悪魔に純次とアダ名を付けた。由香里も純次さんと呼ぶように
なったのだが、「確かに似てる!」と爆笑する岳達。
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